
A:字のごとく電気を通す性質(導電性)をもつ樹脂を 導電性高分子(樹脂)と
いいます。
樹脂材料は、電気・電子材料として、非常に多く使用されていますが、
そのほとんどは、電気絶縁性=電気を通さない性質を利用したものです。
では、電気を通す=導電性の高分子は、どうなっているかといえば、電気
絶縁性のポリマーの中に、導電性物質を分散させて、電気を通す性質を
持つ樹脂材料をつくり、その性質を必要とする分野で使用しています。
また、複合材料ではなく、高分子自身が導電性の性質を持つ樹脂も
開発されています。
□1960年代・・・導電性を持つ電荷移動錯体等の低分子有機物の発見
□1977年・・・ドーピングされたポリアセチレンが導電性を持つことが発表される。
□1990~現在・・・ポリマー電池等の様々な製品の開発が進められています。
※ドーピングについて
π電子共役系高分子は、絶縁体または、半導体であるが、これに適切な
ドーパント(電子受容性もしくは電子供与性試薬)を加えることにより、
導電性を示すようになる。この手法をドーピングいいます。
その手法には、①化学的ドーピング、②電気化学的ドーピングの2種類
があります。
○導電率について
導電率は、電荷を運ぶ電荷担体(キャリヤ)の数(n)、電荷(e)、
移動度(μ)に関係しており、
導電率=Σn・e・μ で表されています。
動電機構は、キャリヤの種類によって決まっており、以下の2つがある。
①電子伝導(電子、正孔) ②イオン伝導(イオン)
○主な導電性高分子について
①π電子共役系高分子(電子伝導)
π電子雲が、重なって高分子主鎖に沿って連続的なπ結合が形成され、
電子移動と同等の挙動を示すもの。
□合成法
①化学重合
②電解重合
③固相反応
□特徴
一般的に、内部エネルギーが低く剛直な分子構造のため、不溶不融性で、
成形加工性が悪い。
電解重合によるポリマーは、フィルム状のものができる。
□主な用途
・二次電池
・コンデンサの電極 など
②光導電性高分子
□特徴
光が当たらない状態では、絶縁体であるが、光が当たった場合は、導電性
を示すという性質を持っています。
□主な用途
・コピー機(電子複写機)の感光体
・レーザープリンターの感光体
※今後、太陽電池、オフセット印刷版等への応用が検討されています。
③イオン導電性樹脂
□特徴
高分子固体電解質と呼ばれるものは、容易に薄膜が作成でき、軽量かつ
高エネルギー密度の高い電池ができる。
※電解液を使用しない固体電池の場合、液漏れがない、温度上昇による
可燃性ガスの噴出が少ない、積層による高電圧を取り出すことが可能
であり、自由な形状の固体電池をつくることができます。
□主な用途
・固体電解質電池
・コンデンサ
・各種センサ-
※今後、光電池(太陽電池、光二次電池)、エレクトロミック素子等へ
の応用が検討されています。
次回は、生分解性樹脂について見てみましょう。