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プラスチックの物性入門 :上級編

2008/02/06
Q:熱挙動のガラス転移点とはどういうものでしょうか?

A:では、ガラス転移点について見てみましょう。

熱挙動とは ? ・・・温度変化による状態変化のことをいいます。
代表的な物性値として ・・・ガラス転移点、融点があります。

○ガラス転移点(Tg)
 試験片に正弦波振動を与えて、その時の応力、ひずみ、位相差等を
 測定し、動的粘弾性のデータが得られます。そのデータの損失係数
 の最大点に相当する温度をガラス転移点(Tg)としています。
  ↓
 Tg以下の低温・・・ポリマーの鎖は凍結状態で動きがない。
  =弾性率の変化なし。
 Tgを越える・・・ミクロブラウン運動が起こり、凍結していた鎖が動く。
  =弾性率の変化 -低下
   ※ミクロブラウン運動
    主鎖が、重心を移動させずに揺らぐ運動

 つまり・・・
 凍結状態のガラス状態から動きのあるゴム状態に変わる温度のことをガラス転移点と言います。

○非晶性樹脂、結晶性樹脂の分けて考えた場合

□非晶性樹脂
全て非晶部からなっている。
Tg・・・ガラス状態からゴム状態へ移行する。
 ☆ガラス転移点はある。 明確な融点はない。

□結晶性樹脂
結晶部と非晶部からなっている。
Tg・・・非晶部がガラス転移する。
 結晶部・・・低温では結晶状態ですが、加熱によりある温度で
      急激に液体となる。(融解-その温度が融点)
 ☆ガラス転移点、融点ともにある。

△熱硬化性樹脂
ガラス転移は起こるが、架橋されているためTgが分かりづらい。

○ガラス転移点の違いについて

樹脂材料の種類により異なっています。
これは、樹脂の構造、組成の違いが原因となります。

Tgに影響を及ぼす因子の主なもの

①化学構造
 ・高分子の主鎖がたわみにくい = Tgは高い
 ・側鎖のかさばりが大きく、たわみにくい = Tgは高い

②分子量
 ・低分子量 = Tgは低い
 ・高分子量 = Tgは高い ※分子量の増加とともに増加
   ※ある分子量以上になると変化は止まる。

③ポリマーブレンド(異種の樹脂を混合した場合)
 ・非相溶系・・・各々の樹脂の2つのTgが存在する。
 ・相溶系 ・・・各々の樹脂のTgの中間に1つ存在する。

樹脂を様々な用途で使用する場合、ガラス転移点という物性は、使用する際の実用性能に大きく関わるため、常に頭に入れておく必要があります。

次回は、熱挙動の融点について見てみましょう。

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