
A.~プラスチック流の設計法~
機械設計に「強度計算」という言葉があります。これは、機械に限らず、
あらゆる製品の開発の際、「実際に使うとき、どの程度の力が加わり、
その力で製品が壊れることはないか」という検討のことを指します。この
検討を綿密に行うことにより、実際にものを作る前に問題点が予測でき
事前に対策をほどこすことができます。製品を作るときは必ずこのような
検討が行われるのです。
プラスチック製品の開発においても強度計算が行われますが、その内容は
金属と比べるとずいぶん違いがあります。その理由は、プラスチックの性質
にあります。従来は機械用材料として、主に鉄が使われてきました。このため
設計法自体が鉄の特性を前提に作られているのです。しかし、鉄とプラスチック
とでは性能にさまざまな違いがあります。
そこで...
従来の設計法に加えて、プラスチック独自の検討を行う必要があるのです。
その第一が、「変形設計」です。種類によって違いはありますが、プラスチックは
鉄ほど強くなく、力が加わると変形します。しかし、大きく変形しても壊れないという
特徴を持っています。(耐衝撃性) この特性を生かした設計が、プラスチック製品
には求められています。このため、設計に際しては「実際に使っているとき、どのく
らい変形するか」が重要な課題になります。
携帯電話の例で言えば、落として割れないことはもちろん重要ですが、ケースが
変形して、中の機器が飛び出してしまわないとか、ケースの変形により内部の機器
同士がぶつかって壊れてしまわないとか、色々な点を考慮する必要があります。
