
A:ではポリマーアロイについて見てみましょう。
□ポリマーアロイとは?
【ポリマーアロイ:polymer alloy】
polymer・・・重合体 / alloy・・・混ぜる、混合体
現存するポリマーを組み合わせることにより、各々の長所は生かしながら、
短所を組み合わせる相手材によってカバーし、両者の相互作用により、
新しい特性を持った材料のことをいいます。
□ポリマーアロイの現況
近年、ポリマーアロイに関しての研究開発が、活発に行われています。
汎用樹脂の性能アップ、エンジニアリングプラスチックの高性能化が
目的であり、迅速かつ低コスト(新規にポリマーを開発することに比べ)
で開発できるという利点を有しているからです。
・・ポリマーアロイの開発面での特徴・・
①初期投資が少ない
②市場の要求に迅速に対応が可能
③材料の設計の自由度が大きい
④高度な複合特性の実現が可能である
現在、消費されるプラスチックの約16%がポリマーアロイと言われています。
□ポリマーアロイとポリマーブレンド
両方の言葉ともよく使われていますが、はっきりとした違いについての
見解は現時点では、まだされていないように思われます。
一般的には、ポリマーブレンドの中に、ポリマーアロイが存在すると
言われていますが、その違いについては、以下のようになります。
○ポリマーブレンド
2種類以上のポリマーが、共有結合でつながることなく混合しているポリマー
多成分系をいう。
○ポリマーアロイ
ポリマーブレンドの内、成分ポリマーが完全相溶状態にあるか、または界面に
何らかの親和力が働き、安定したミクロ相分離状態をいう。
□ポリマーアロイの種類について
大別すると以下の2つに分けられています。
①相溶型
お互いの材料の親和性がよく、任意の比率のブレンド、混練で、分離することがない。
②非相溶型
相互の親和性が良くないため、両方と親和性の良い相溶接化剤を添加して混練する。
相溶接化剤の選定が大きなポイントとなります。
□主なポリマーアロイ
○汎用プラスチック系
①ポリエチレン系アロイ
LDPE + HDPE :臨界せん断速度の増加(電線被覆成形)
LDHE + LLDPE :ドローダウン現象の改良
②ポリプロピレン系アロイ
PP + HDPE :低温での脆性改良
PP + EPDM :耐衝撃性の向上
③PVC系アロイ
PVC + ABS :耐衝撃性の向上
④PMMA系アロイ(アクリル系)
PMMA + ゴム成分 :耐衝撃性の向上
○エンプラ系
①ポリアミド(PA)系アロイ
PA + ポリオレフィン系 :耐衝撃性の向上、吸水性抑制
PA + PPE :耐熱性、寸法安定性
PA + PAR :耐熱性、耐衝撃性の向上
②ポリカーボネート(PC)系アロイ
PC + ABS :耐熱性の向上
PC + 変性PS系 :成形系の改良
PC + PET/PBT :耐薬品性、耐ガソリン性の向上
PC + PMMA :真珠のような光沢が得られる
③PBT/PET系アロイ
PBT + ABS :反りの低減
○スーパーエンプラ系
①PAR系アロイ
PAR + PET :耐薬品性、成形性の向上
②PPS系アロイ
PPS + PA :流動性、耐衝撃性の向上
PPS + フッ素系 :摺動性の向上
③PSF系アロイ
PSF + ABS :加工性の向上
④PEEK系アロイ
PEEK + PEI :荷重たわみ温度の向上
ここまで、一部の例をあぜさせていただきましたが、その他にも
多くの種類があり、また今後も開発が進んでいくと予想されています。
次回は、医用高分子について見てみましょう。