
A:一定の荷重のもとで、材料の変形が時間とともに増加していく現象を
クリープ(creep)といいます。
樹脂は、弾性的性質(バネのような性質)
粘性的性質(粘度の高い油のような性質)を合わせ持つ粘弾性体
①・・・樹脂に加重をかける。
②・・・最初に、瞬間的に弾性的性質部分が伸びる。
③・・・少し遅れて、粘性的性質部分が伸びる。
④・・・そのまま加重をかけ続けると、粘性部分が時間と共に伸びてくる。
☆④の現象を ”クリープ現象”と呼んでいます。
※引張、圧縮、曲げの一定加重下で、時間の経過につれて変形し続ける
現象をいいます。
⑤徐々に加重を取り除く。
⑥弾性部分は、短時間で弾性回復する。
⑦粘性部分は、徐々に回復するが、回復までには時間がかかります。
⑧条件によっては、粘性部分は、完全に元に状態には戻らず、
永久ひずみが残ったりする場合もあります。
⑨完全回復しないうちに、加重-除重を繰り返すと、永久ひずみの
量が大きくなり、弾性部分は次第に低下します。
○樹脂のクリープは、加重が多きほど、かつ温度が高いほど顕著になります。
①樹脂の試験編に加重をかけ、伸ばす。
②その伸びを一定で保持する。
③最初の加重は次第に小さくなっていく。
☆③の現象を ”応力緩和”と呼んでいます。
※一定の伸長状態を保持し続けるのに要する力が少なくてすむようになり、
ついには、ゼロに近づく。このように長時間一定のひずみをうけている
うちに、材料の内部の変化により応力が減少していく現象をいいます。
☆耐クリープ性
高耐熱・高剛性樹脂 ・・・クリープ特性に優れています。
熱硬化性樹脂 > 熱可塑性樹脂
ガラス繊維強化樹脂 > 非強化樹脂
○耐クリープ性に優れた樹脂材料(熱可塑性)
PES(ポリエーテルサルフォン)
※180℃までの耐クリープ性は、熱可塑性樹脂の中でも最高レベル
PSF(ポリサルフォン)
PC(ポリカーボネート)
POM(ポリアセタール)
☆クリープ破壊
樹脂材料に長時間加重が加えられている場合、クリープ現象によって
短時間での試験の破壊強さ以下の小さい応力で破壊する場合があります。
このような破壊を”クリープ破壊”といいます。
※長時間の加重を受けて高温下で樹脂を使用する場合
短時間破壊強さよりも、クリープ破壊を起こす応力に注意する必要が
あります。
では次回は、疲労について見てみましょう。