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プラスチックとは :上級編

2007/08/29
Q:耐熱性プラスチックとは?

A:では耐熱性プラスチックについて見てみましょう。

耐熱性プラスチックとは、読んで字のごとく、『熱によく耐えるプラスチック(樹脂)』
ということになります。
当然、金属、セラミック等には及びませんが、樹脂部品を、過酷な使用条件下で
使用するために、数百度の温度に長時間耐える樹脂が登場しています。

○耐熱性について
 物理的耐熱性と、化学的耐熱性に区別されています。

 ①物理的耐熱性(短期耐熱性、耐熱軟化性)
  ・・・高温下で、機械的強度が大きく低下しない。
  ・・・軟化などの物理的変化が生じない。
  ☆ガラス転移温度(Tg)、融解温度(Tm)、軟化温度、荷重たわみ温度が高いこと。

 ②化学的耐熱性  
・・・高温下で、酸化・熱分解によって劣化しない。
  ・・・高温下で、化学変化を起こさない。
  ☆☆連続使用温度が高いこと。
   ※熱分解による物性の経年変化の大小を意味するため、化学的耐熱性
    に入る。

○プラスチックの耐熱化の方法
  上記で述べたタイプによって、耐熱化の方法が異なっています。

 ①物理的耐熱性
    目的             方法 
   ・分子鎖の運動性の抑制   ・・・架橋密度を高める ・・・芳香環構造を導入
   ・分子の凝集性の向上    ・・・極性結合の導入
   ・複合化          ・・・無機材を複合化する(ガラス繊維、炭素繊維等)

 ②化学的耐熱性
  目的               方法
  ・分子鎖の運動性の抑制   ・・・架橋密度を高める  ・・・芳香環構造を導入
  ・分子の凝集性の向上    ・・・極性結合の導入
  ・強い化学結合の導入    ・・・強い化学結合の導入 ・・・無機樹脂の導入
                        (炭素、フッ素結合)   (ケイ素樹脂等)

○主な耐熱樹脂
 ①ポリエーテル・エーテルケトン(PEEK)
  荷重たわみ温度:186℃ Tg:145℃ Tm:340℃ 
 
 ②全芳香族ポリエステル(スミカスーパーS1000)
  荷重たわみ温度:293℃ 連続使用温度:250℃ ※明確な融点はない。

 ③芳香族ポリアミド=アラミド
  メタ系アラミド(ノーメックス、コーネックス、アピエール 等)
  Tg:260℃ 熱分解開始温度:430℃ ※コーネックス
  パラ系アラミド(ケブラー、テクノーラ、トワロン 等)
  熱分解温度:500℃ 
  ※200℃でも常温の70%の強度を保持

 ④ポリイミド(メルディン 他)
  荷重たわみ温度:360℃
  ※高価であるが、耐熱性に最も優れた樹脂の1つ。

 ⑤ポリベンゾイミダゾール(PBI)(セラゾール)
  荷重たわみ温度:435℃ Tg:427℃ ※明確な軟化点はない。
  ※300℃で48時間加熱しても、強度の低下はほとんどない。

 ⑥ポリエーテルサルフォン(PES)
  荷重たわみ温度:203℃ Tg:225℃ ※明確な融点はない。

 ⑦ポリアミドイミド
  荷重たわみ温度:270℃

次回は、ポリマーアロイについて見てみましょう。

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