
A:では主な強化材、充填材について見てみましょう。
強化材では、繊維強化材が主なものとなります。
また強化材は、以下の条件が備わっていることが求められています。
①引張強度が大きい
②弾性率が大きい
③マトリックス樹脂との接着性が良い
④耐熱性、耐食性、耐摩耗性が優れている
⑤取り扱い性が良い
⑥材料コストが安価
主なものは
ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維が上げられます。
Ⅰ:ガラス繊維
通常強化プラスチックと言えば、ガラス繊維を使用した強化プラスチックを
指していると言われるほど、多く使用されています。
主な特徴
1.引張強度が大きく、伸びが低い
2.弾性率が大きい
3.不燃性である
4.化学的耐久性が高い
5.吸水性が低い
6.マトリックス樹脂との接着性が優れている
7.価格が比較的安い
主な形態
1.多数のフィラメントの束をバインダーで軽くくっつけてあるひも状のもの
①撚りのかかったもの・・・ヤーン
②撚りのかかっていないもの・・・ロービング
2.チョップドストランド (ロービングを適当な長さに切断しもの)
3.マット(2.を積み重ねてシート状にしたもの)
4.クロス(ヤーンを織ったもの)
5.ロービングを織ったもの
製品の性能、成形加工の様式、価格等の様々な条件を考慮し、最適なものを
使用します。
Ex PEEK450GL30 (PEEK樹脂+30%ガラス繊維)
PES4101GL30 (PES樹脂+30%ガラス繊維)
PPSGL40 (PPS樹脂+40%ガラス繊維)
Ⅱ:炭素繊維
レーヨン、ピッチ、PAN等の繊維を炭化させて作られており、色は黒色になります。
ガラス繊維では難しい高強度、高弾性が要求される用途で使用されています。
最近は、航空機等での使用用途で需要が急速に伸びています。
主な特徴
1.高強度(高引張強度)
2.高弾性率
Ex CFRP(炭素繊維強化プラスチック)
軽量構造材料で、航空機関連、スポーツ・レジャー関連で幅広く様と開発が
行われています。
スミプロイCK4600 (PEEK樹脂+カーボンファイバー30%)
Ⅲ:アラミド繊維
芳香族ポリイミド繊維のことで、アラミドという名称は、FTC(アメリカ連邦商業委員会)が命名したものです。
これを米国デュポン社が『KEVLAR』の名称で市販しています。
主な特徴
1.低比重
2.引張強度
3.高弾性率
4.せん断強さが低い
5.耐紫外線性が劣る
6.加工性が劣る
主な用途
1.宇宙・航空機
2.自動車部品(F1等のレーシングカー)
3.スポーツ用品(テニスラケット等)
4.携帯電話部品
おもな製品(商品)
1.KEVLAR(ケブラー)・・デュポン社
2.トワロン・・Akzo社
3.テクノーラ・・帝人
次に充填材について見てみましょう。
充填材には、様々なものがあり、大きく分けると以下のようになります。
①粉状のもの <シリカ、グラファイト、カーボンブラック、二硫化モリブデン 等)
②繊維状のもの <ガラス繊維、炭素繊維、合成繊維 等>
③布状のもの <ガラス繊維布、綿布、フェルト、紙 等>
充填材を加える事による主な効果は、以下のようになります。
①荷重たわみ温度の向上 ・・・長い繊維状、布状の充填材
②遮蔽効果 ・・・扁平状充填材
③導電効果 ・・・カーボンブラック
④摺動効果 ・・・二硫化モリブデン、フッ素樹脂
⑤吸着効果 ・・・クレー(極微粉末)
⑥流下防止効果 ・・・シリカゲル、カーボンブラック、クレー
⑦耐候性向上
⑧膨張係数の調節
⑨印刷、接着性の向上
次回は、耐熱性プラスチックについて見てみましょう。